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現場が自ら考えて、自らの「How」を創り上げる。ボトムアップ型の組織運営を目指すために、ヒトが考えながらテクノロジーを活用する
HOPE株式会社 価酒場はかた商店
埼玉を中心に首都圏と九州で「原価酒場はかた商店」を18店舗運営するHOPE株式会社が目指す店舗づくりと組織運営にどうテクノロジーを活用していったのかについて、副社長の安藤淳氏に話を聞いた。
原価酒場はかた商店の業態コンセプトについて教えてください。
業態の特徴はその名の通りなんですが九州料理の専門店です。創業以来こだわり続け、厳選された新鮮な国産もつや、産地からこだわった野菜など、本場九州博多仕込のもつ鍋を中心にした、九州料理を取り揃えております。
また、当店は入場料500円をいただいて、お酒を原価で提供しています。例えば生ビールであれば中ジョッキで194円、大ジョッキでも252円です。またレモンサワーだと40円、ハイボールも57円からと、いろいろなバリエーションを取り揃えています。
他にも宴会の飲み放題コースも時間無制限でやっていますので、たっぷり飲みたいという方にはぴったりなお店になっていると思います。
今回、セルフオーダーシステム「メニウくん」(以下:メニウくん)の導入の経緯を教えてください。
元々セルフオーダー自体の導入は、私個人としては反対だったのですが、時代の流れもあり、現場のスタッフからの要望もあり、一度試してみようということでスタートしました。
セルフオーダーシステムを導入したときに、私の中で最低3つのポイントを改善させることを意識していました。まず1つ目は人件費が下がる事。2つ目に客単価が上がること。この2つに関しては、ある程度達成できるだろうと考えていましたし、実際に導入後、すぐに効果が表れました。
問題は3つ目です。実は3つ目の改善ポイントを何に設定するかは決めずに、導入をする中で、現場のスタッフからの声を吸い上げながらどんな効果が出ているかを見つけて、それが私たちの目指す店舗づくりに生かせそうな効果であれば、他の店舗へ導入を進めていこうと考えていました。
人件費を下げたり、客単価を上げるということだけで言えば、他の方法もありますし、それだけだと短期的な効果だけになってしまって、長く地域の人たちに愛されるお店づくりをしていくという、私たちのコンセプトを達成できないと思ったからです。
しかし、なかなか「これだ!」と思える効果が見つからずにいたのですが、4店舗目に導入した店舗の店長と導入効果について話していると、メニウくん導入後に店長が感じる変化として、「頭で考える時間が取れるようになった」というものがでてきました。
これはどういうことかというと、今までは、オーダーテイクや配膳という作業に時間を取られていたのですが、オーダーテイクをセルフ化することで、店長がお店全体を見ながら、次の動きの予測を立て、他のスタッフに指示を出したり、いままで気付かなかったお客様の声を拾ったり、現場で起きていることを客観的に見えるようになったということです。その結果、お店全体の接客の質が上がり顧客に長く愛されるお店づくりのコンセプトにも合致すると思ったんです。
飲食店で重要なことは、おいしい料理があることは当然ですが、お店のクリンネスや、スタッフが活き活きと働いている雰囲気など、様々な要因が関係してきます。
店長が日々の作業に忙殺されて、考える時間も取れないとなってしまうと、新しい発想や考えが生まれないですし、お客様の小さな変化や、求めるニーズにも気づけず、すごく機械的な接客になってしまいます。
そういう意味で長く店舗運営をしていくことを考えたときに、セルフオーダーを導入することは私の目指す店舗づくりに貢献してもらえると思い、導入をすすめました。
実はメニウくんを導入する前に、他社のセルフオーダーシステムを1店舗導入していたと伺いましたが、なぜ2店舗目以降はメニウくんを導入したのでしょうか?
そうですね。大きく2つあると思います。1つ目は、元々導入していたセルフオーダーシステムでは、メニュー画面が非常に簡素で単純なデザインだったというのがありました。
飲食店のメニューですので、大切なのはより料理をおいしく見せるための「しずる感」の表現や、頼みやすい画面レイアウトであったりする必要があると考えていました。
また料理やドリンクもシーズンごとや新商品の更新など、定期的に変わっていきます。その時に、自分たちで画面の変更をしたかったのですが、ある程度こちらで自由に画面の切り貼りや、画面を隠したりすることが簡単で、かつ自分たちのイメージ通りの画面ができる点がメニウくんを選んだ理由でした。
2つ目に、メニウくんを導入する際に驚いたのですが、店舗オペレーションの中にシステムを組み込んでいくときに、運用担当専門の方と、メニュー表現の部分でサポートしてくれる専門の方と、専任の担当がいて、それぞれの方がすごくプロ意識が高く、いろんな部分で提案をしてくれたと言うことが大きかったと思います。
最近では、システム導入後に運用面や導入時の細かい提案などしてくれる会社は少なくなっています。もちろんその分、導入費用は安いというメリットはあるのですが、導入前と導入後にきっちりとフォローアップをしてくれて、こちらからの細かい要望にもクイックに答えてくれたことで、お店づくりをする上での、パートナーとして頼もしいと感じ、選ばせていただきました。
はかた商店(HOPE株式会社)の目指す組織文化とは?
当社ではTOP自ら現場に「あれをやれ、これをやれ」と落とし込んでいくというのは基本的にしたくないと思っています。やはり現場で働く人が、自ら考えて、その考えを上にあげていくボトムアップ型の組織こそが強い組織であると考えています。
これはお客様に一番近いスタッフが、お客様のニーズを一番汲み取りやすいということもありますし、人材を育成する上でも、自分で考える癖をつけた方が、成長スピードは時に遅いときもありますが、常に考え続ける癖をつけることで、お店の品質を保ち続けられると感じています。
サービス業は、サービス提供のタイミングと顧客コミュニケーションが同時に発生するため、何かあるたびに、すべてに対して指示を出すということは不可能です。ですので、ある程度自分で考えて行動をするということをしてほしいと思いますし、その方がより自分の仕事が楽しくなると思います。
今後の展開や考えていることは?
いまコロナ禍において非接触というのは当たり前のキーワードになりつつあります。いかにスタッフとお客様が接触せずに、だけど良い接客ができるかということが求められていくと思います。
今後は配膳などもロボットが行い、飲食業界もテクノロジーを活用していくことが当たり前になると思います。
もちろんロボットであればパフォーマンスがブレないし、費用対効果も従来よりも出るかもしれません。しかし、私たちはそこには必ず人間は必要で、どうそのテクノロジーを活用していくかということを考えるのは人間の仕事であると思っています。
私たちには「独自のHowを1人1人が持つ」という理念があります。様々な環境が変わろうとも、1人1人が、自ら考えて、自ら行動をする。そんな組織を創り上げていくことで、長くお客様に支持されるお店づくりをしていきたいと思っております。
※ 掲載情報は取材時の情報です。
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